帽子作りの基礎知識
帽子作りに、知っておくと役立つ基礎知識を紹介しておきます。
帽子の種類
シンプリンで扱っている帽子の種類を中心に特徴をまとめました。
形や特徴がそれぞれにありますので、是非様々なスタイルを手作りしてみてください。
ベレー帽
初めての帽子作りはベレーから!
ブリム(つば)のないふっくらしたクラウン(頭のはいるところ)の帽子。
ブリムがないので気軽に被りやすく、黒や紺、ダークブラウンなど髪の毛に近い色で作るとヘアースタイルの一部のような感覚でさりげなく被れます。
明るい色などカラフルな生地で作ればおしゃれのポイントになる帽子ができます。
被り方はスッポリ深く被ったり、後ろにさげて浅く被ったりとその日のファッションにあわせて楽しめます。
初めての帽子作りはベレーから
ブリムがないので工程が少なく、接着芯を貼るなど手間ないので作りやすいです。
キャスケット
ベレー帽の次はキャスケットがおすすめ
前にだけブリムのある帽子(フランス語)・シンプリンではクラウンがたっぷりしたタイプをこう呼びます。
前だけのブリムの場合スポーティーな印象になりがちですが、キャスケットの場合は大きめのクラウンがおしゃれな雰囲気に。
また小顔効果もあります。
ベレーの次に作りやすい帽子です。
キャップ
キャスケットよりかっこいい帽子がお好きな方へ
前にだけブリムがある帽子(英語)
シンプリンではクラウンがすっきりしたタイプをこう呼びます。
スポーティーな印象の帽子なので、女性はもちろん男性に人気の帽子です。
被り方は深めに被る方がかっこよく被れます。
ハンチング
男女兼用で楽しめる帽子好きさん向け
イギリスで狩猟用の時に被られていた帽子
男性に人気のある帽子ですが、女性にもおすすめ。
ロングスカートなど女性らしいスタイルとあわせるととてもおしゃれに被れます。
もともと男性向けに作られたデザインなので、フラワープリントやレースリボンなど甘い生地や飾りとあわせてもかわいくなりすぎません。
クロシェ
これができると帽子作りの世界が広がります
フランス語で「釣鐘」という意味からきています。
シンプリンではブリムがぐるっと一周ある帽子の中でも、ブリムが小さめから中ぐらいのものをこう呼びます。
クロシェは生地や飾りによってカジュアルにもエレガントにも印象がグンとかわります。
ブリムが一周あるので、ベレー、キャスケットより難易度が高いです。
生地は厚めのものは重なりが分厚くなる箇所がでてくるのでむきません。
ソーイング初心者の方はベレー、キャスケットの後に作ることをオススメします。
キャプリーヌ
クロシェができたら大きなブリムに挑戦
ブリムがぐるっと一周ある帽子の中でもブリムが大き目のもの。
生地にもよりますが、エレガントで女性らしい印象が作りやすいです。
ブリムが大きな帽子はお顔に影ができるので、濃い色で作る場合はブリムの裏だけ表より明るめの生地で作るとお顔が明るくなります。
ブルトン
お顔が明るくみえる美人帽子
ブリム全体がくるんと上がった帽子のこと。
フランス、ブルターニュ地方の農夫が被っていたことからその名がつきました。
ブリムがあがるとお顔が明るくきれいに見えるので、帽子は似合わないと思っている方におすすめです。
ケア帽子(医療用帽子)
髪のお悩みを和らげ頭皮を保護するための帽子
病院などで脱毛した時に被る室内でも被れる帽子。
デザインはさまざまですが、しめつけが少なくすっぽりと頭をつつむように深く被れるものが多いです。
生地選び
直接頭皮にあたることがあるので内側は柔らかな生地で、表側も室内用の場合は柔らかい生地が心地よく被れます。
また清潔に被れるようにお手入れしやすい生地を選びましょう。
手作りの場合はケア帽子用にデザインされた帽子でない場合でも、ケア帽子用に制作することも可能です。
帽子の選び方
顔型で選ぶ
クラウンの形と顔型が一緒だと似合うと言われてます。
丸顔の人は丸いクラウン(6枚ハギなど) 四角顔(えらがはってる)人はクラウンが角(2枚ハギ)があるもの。
・丸いクラウンの帽子
・四角いクラウンの帽子
アシンメトリーベレー・コンパクトキャスケット・シンプリンハットなど
クラウンの高さが低いもの、上に受かって幅が狭くなるものなど小さめのクラウンは要注意。
お顔が小さい、頭の小さい方にしか似合いません。
ベレーはボリュームがあるものが多いので、どなたでも似合いやすいです。
肩幅で選ぶ
肩幅の広さやなで肩かどうかはブリムの角度と関係します。
肩幅が狭い、なで肩の方はブリム角度が下がったり小さめのものを。
肩幅が広い、しっかりしている方はブリムの角度が平らで大き目のものが似合います。
生地の選び方
春夏におすすめの生地
綿ならシーチング、オックス、ツイル。
ツイルだとしっかりした感じに、シーチングだと軽やかに柔らかめにできあがります。
サッカーやリップルはしわにならず、お洗濯もしやすいです。
麻100%は風合いがいいですが、しわになりやすいのであまりおすすめできません。
麻を使用する場合はしわも楽しむ、そんな気持ちで帽子を楽しんでください。
麻の風合いを楽しみたい場合は、麻の中でもざっくりとしたラミーや、綿麻にするといいでしょう。
秋冬におすすめの生地
薄手のウールが縫いやすくておすすめ。
無地ならば少し織りで表情がある生地だとおしゃれにできます。
ネップツイードはほどよい厚みの良いものが手に入れやすいです。
ファンシーツイードはとてもかわいくできますが、ほつれやすいので上級者さん向きです。
カジュアルな帽子にはコーデュロイもおすすめです。
一年を通しておすすめの生地
デニムなら1年中楽しめる帽子ができあがります。
濃いインディゴのデニムは生地の組み合わせによって、エレガントな印象にもなりますよ。
色について
暗い色(黒・紺・チャコールグレー・ダークブラウン)より明るい色の方が、お顔が明るくみえます。
ベレー帽の場合は、髪の毛に近い色だと帽子が髪の色になじみ、ヘアースタイルに一部のような感覚で被れるので、帽子を被り慣れていない方にはおすすめです。
ブリムの裏の生地だけ違う生地で作る場合、必ず表より明るい色で作りましょう。
表が明るい色、裏ブリムが暗い色だと顔に影ができてきれいにみえません。
生地の向きについて
★バイアス
生地の縦方向に対して斜め45度の方向。
生地が伸縮するので、カーブがきれいにでます。
★地の目
生地のたて地 布端(生地の耳)に対して平行
生地がのびないので、型崩れがしにくいです。
★帽子は曲線のパーツでできているので、バイアスで裁断するときれいにできます。
ですが、水玉やチェックなど生地を斜めにすると模様がきれいにできない場合は地の目でとりましょう。
接着芯について
接着芯の役割
・ブリムの形をきれいに保つ
・薄い生地にハリをもたせる
接着芯のタイプ
帽子作りでは片面が接着できる片面接着タイプを使用します。
(アイロンで接着します。)
不織布・織り布・編み布タイプがあります。
・不織布
織らずに繊維を絡めた布 手に入りやすくいろんな厚みがあります。洗濯にはむきません。
・織り布
しなやかできれいに生地になじみます。洗濯をしてもしわになりません。
・編み布
伸縮性があるのでニットなどのびる生地に最適です。
シンプリンではブリムにのみ接着芯は使用することをオススメします。
理由は帽子の重さが軽くなるから。
軽い帽子は被り心地がとてもよく、長時間被っていても快適です。
このような時はクラウンにも使用します。
形をしっかりカチッとしたい。生地がとても薄い、柔らかい、よれやすい
クラウンで接着芯を使用する時は、柔らかいものがおすすめです。
シンプリン帽子教室について
帽子作り初心者の方から帽子作家になりたい方まで、より深く帽子作りを学べる「シンプリン帽子教室」がございます。
オンライン講座もございます。よろしければ以下ウェブサイトにてご覧下さい。
帽子のサイズの測り方
以下の動画でも帽子のサイズの測り方を紹介しています。
帽子のサイズを測る方法 その1
-
帽子のサイズはの測り方は、帽子を被った時に帽子があたる部分(頭囲) をメジャーで測ります。
以下を通り、メジャーが軽くあたるぐらいぐるっと一周測ります。
この時髪をギュッと押さえつけないように注意しましょう。おでこ(眉から指2本分くらい)
↓
耳の上(指1本分くらい)
↓
後頭部真ん中より少し下 - 1で測った頭囲に1~1.5㎝+したものが帽子のサイズです。
頭囲+1~1.5㎝
帽子のサイズを測る方法 その2
- サイズテープ(60~65㎝くらい)を輪にして頭にまく。
この時帽子を被った時と同じ位置になるようにする。 - ちょうどよいフィット感(指が1本はいるくらい)の長さに調整して、頭からとりサイズテープの長さを測る
シンプリンの型紙サイズ
- Sサイズ 56㎝
55㎝~57㎝の帽子が制作できます。 - Mサイズ 58㎝
57㎝~59㎝の帽子が制作できます。 - Lサイズ 60㎝
59㎝~61㎝の帽子が制作できます。
作る時のサイズ
以下サイズをお選び下さい。
- 市販の帽子がちょうどいい場合:Mサイズ
- 市販の帽子がゆるい場合:Sサイズ
- 市販の帽子がきつい場合:Lサイズ
- Lサイズより大きい帽子を作りたい場合:58㎝の型紙を作りたいサイズになるように拡大コピーしてください。
<例>出来上がりサイズ 62㎝にしたい場合:107%に拡大コピー
58cm × 107%=62.06cm となります。
帽子はぴったりしすぎると長時間被っていると頭が痛くなってきます。
せっかくの手作りなので、自分にぴったりなサイズで作っていきましょう。
帽子の用語
型紙にも記載しているパーツの名称です。
覚えておくと何かと便利です。
クラウン
頭の入るところ
・クラウンが高い:クラウンの部分の高さが高いこと。
反対は「クラウンが低い」
・クラウンが深い:被った時の被り心地。
クラウンの高い帽子はすっぽり深く被れます。
反対は「クラウンが浅い」
一般にクラウンの深い帽子のほうが、帽子にボリュームがあるため小顔効果があります。
トップクラウン
クラウンのてっぺんの部分
サイドクラウン
クラウンの側面
ブリム
つばのこと。
・ブリムが長い:ブリムが長さが長いこと。
ブリムが大きいとも表現します。
反対はブリムが短いもしくは小さい。
・ブリムが下がる:ブリムが下向きに下がっていること。
反対はブリムが平ら。平らな状態をいいます。
・ブリムが上がる:ブリムの端が上がっていること。
サイズ元
クラウンとブリムの境目。
帽子のサイズが決まるところ。
2枚ハギクラウン
トップクラウンにサイドクラウンをあわせた形
6枚ハギクラウン
6枚のパーツを頂点をあわせて作る形
より深く帽子作りについて興味がある方は
帽子作り初心者の方から帽子作家になりたい方まで、より深く帽子作りを学べる「シンプリン帽子教室」がございます。
オンライン講座もございます。よろしければ以下ウェブサイトにてご覧下さい。